1 理療科について |
(1)理療とは
あん摩マッサージ指圧、はり(鍼)、きゅう(灸)の総称で、東洋医学の一分野として理論・技術が確立されている医療です。
※あん摩マッサージ指圧とは・・・主に手を使って身体の不調を治す技術です。揉んだり、押したり、さすったりすることで筋肉の緊張緩和、全身の血行改善、骨格や神経機能の調整を図ることができます。肩こり、腰痛だけでなく神経痛や麻痺など、幅広い症状に効果があります。
※はり(鍼)、きゅう(灸)とは・・・あん摩マッサージ指圧と同様、幅広い症状に効果があります。鍼は、髪の毛程度の太さの使い捨てのものを使用し、痛みを感じることなく衛生的に治療できます。灸は、もぐさを皮膚上で燃やすことで、温熱、免疫力向上、体質改善などが期待できる治療法です。
(2)理療科とは
理療科は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格取得を目指す職業教育課程で、高等部保健理療科と専攻科保健理療科・専攻科理療科の3つの学科があります。各学科とも3年間の課程で、職業自立に向けて18歳から50歳代までの幅広い年齢層の生徒が学業に取り組んでいます。
【高等部保健理療科】
中学校卒業の資格を有する方が対象です。高等学校卒業の資格と、あん摩マッサージ指圧師国家試験の受験資格を得ることができます。
【専攻科保健理療科】【専攻科理療科】
どちらも高等学校卒業の資格を有する方が対象です。専攻科保健理療科は、あん摩マッサージ指圧師国家試験の受験資格、専攻科理療科は、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の受験資格を得ることができます。
2 学習内容 |
専門基礎科目・・・解剖学、生理学、病理学、リハビリテーション医学、臨床医学など
専門科目・・・東洋医学、経穴概論、臨床実習、あん摩マッサージ指圧実技、はり実技、きゅう実技など
※ 高等部保健理療科では国語や社会などの一般教科も学びます。
※ 臨床実習は、外来患者の施術を通して知識・技術・接客などを学ぶ授業です。肩こりや腰痛、膝の痛み、自律神経失調症、全身の疲れ等で多くの患者に来ていただいており、在学中に施術者としての実力が身に付きます。専用の臨床実習室を設け、午前は専攻科理療科3年生があん摩マッサージ指圧・はり・きゅう施術、午後は高等部・専攻科保健理療科2・3年生があん摩マッサージ指圧施術を行っています。
3 卒業後の進路 |
老人保健施設・病院・訪問マッサージ事業所・治療院等への就職、ヘルスキーパー(企業内理療師)として一般企業への就職、治療院開業などがあります。また、筑波大学理療科教員養成施設等へ進学する道もあります。